耳鳴治療音

耳鳴治療音では、一定のカラーノイズ、または補聴器ユーザーのオージオグラムに合わせた治療音、またはIn-situによる検査からカスタマイズした治療音を生成できます。「耳鳴治療音の個別最適化」では、 最小感知レベル (MDL)最小感知レベル (MDL)(治療音を感知できる閾値を測定します。) と最小マスキングレベル (MML)最小マスキングレベル (MML) (耳鳴りを完全にマスキングできる最小音圧レベルを測定します。)の測定値を元に治療音を形成します。Pro Fitでは、3つのグループに分かれた周波数帯域(低、中、高の3グループ)でMDLとMMLの両方を測定し、カスタム治療音の形状に適用するまで、一連のプロセスが分かるように案内しています。

 

また、耳鳴治療音では、プログラムごとにチャンネル・周波数バンドでも調整が可能です。周波数バンドは、耳鳴治療音の出力レベルを表しており、耳鳴治療音機能では耳鳴治療音の出力を調整することができます。 耳鳴治療音の音量は、 ユーザーコントロール で設定できます。耳鳴治療音の出力の調整は、周波数バンド全体、グループ別の周波数バンド(低、中、高)、個々のバンドで調整することができます。 また、耳鳴治療音機能では、変調率(時間経過に伴った周波数と振幅レベルの変化)を選択することもできます。 変調は、ドロップダウンメニューから簡単に設定することができます。

 

ファインチューニング(耳鳴治療音)セクションでは、各周波数バンドまたは周波数レンジ(+展開/-縮小)に基づきグループ化された周波数バンド帯で、片耳または両耳の耳鳴治療音の出力レベルの数値を表示します。 テーブル内の数値を選択したときに表示される上下の矢印を使って、耳鳴治療音の出力レベルを調整し、調整内容は他のプログラムへコピーすることもできます。

 

ユーザーそれぞれの体験に基づき耳鳴治療音の設定を行うには、耳鳴りに対するユーザーご自身の苦労を理解することが不可欠になります。耳鳴りによる障害度についての問診表(THI:Tinnitus Handicap Inventory)の評価は、ユーザーの耳鳴りに対する不満や深刻度を特定する手がかりになります。

 

耳鳴治療音の自動有効/無効、ターゲットマッチ、ユーザーコントロール、音響について耳鳴治療音の自動有効/無効、ターゲットマッチ、ユーザーコントロール、音響について

 

フィッティング時に、「すべてのプログラムをベストフィット」する場合、耳鳴治療音は自動的にOffが設定されます。プログラムに耳鳴り治療音の機能のみを設定するには、形状にチェックマークを入れて、マイク Onはチェックマークを外します。そうすることで、補聴器としての機能はミュート(消音)の状態で、耳鳴治療音のみを聞くことができます。耳鳴治療音の出力レベルは、フィッティンググラフ上に周波数バンドごとに 紫色で表示され、 アイコンがフィッティンググラフ画面の左上部に表示されます。

 

耳鳴治療音の出力レベルの初期設定は、選択した形状を基にしています。耳鳴治療音の出力レベルは、「耳鳴治療音のターゲットに合わせる」を選択することで、いつでも初期設定に戻すことができます。

 

耳鳴治療音機能が有効の状態で、ユーザーコントロールで「耳鳴治療音」が設定されていない場合や、耳鳴治療音機能は無効の状態で、ユーザーコントロールで「耳鳴治療音」が有効になっている場合、 左側ナビゲーションバーに警告アイコン が表示されます。 この場合、 ユーザーコントロール または 耳鳴治療音をクリックし、問題を解消して下さい。

 

オージオグラム聴力型 が選択され、音響オプションが変更される場合、低域周波数は、ベントの音補償が自動的に調整されます。

 

治療音の再生/停止治療音の再生/停止

 

フィッティング中、選択したプログラムで耳鳴治療音が有効になっている場合、治療音は自動的に再生されます。治療音はいつでも再生・停止できます。別のPro Fit画面にアクセスして治療音が一時停止されている場合、メッセージが表示されます。

 

選択したプログラムで現在治療音が再生されている場合:

  1. Off以外の形状が選択されている場合、一時停止し、周波数特性曲線全体に "治療音一時停止中"の透かしを表示します。
  2. 別のカスタム設定されていない耳鳴治療対応プログラムが選択された場合でも再生は継続されます。
  3. 別でカスタマイズされた耳鳴治療対応プログラムが選択されている場合、一時停止して透かしを表示します。
  4. 耳鳴治療無効のプログラムが選択されている場合、一時停止します。

選択したプログラムで治療音が現在一時停止されている場合(ウォーターマークが表示されている):

  1. Off 以外の形状が選択されている場合、一時停止状態を維持します。
  2. 耳鳴治療対応プログラムが選択されている場合、ウォーターマーク付きで一時停止状態を維持します。
  3. 耳鳴治療対応プログラムが選択されている場合、透かしは表示されません。

 

形状(オプション)の選択形状(オプション)の選択

形状 重み付け 詳細 具体例
オージオグラム聴力型 N/A 補聴器ユーザー(患者)の難聴に基づく形状に自動的に反映。 N/A
ホワイトノイズ N/A PTA に基づく信号レベルと周波数全体にわたって均等なエネルギー分布で構成されている。 N/A
ピンクノイズ 低周波数 ホワイトノイズと比較して高周波数のエネルギーを少ない。 小雨、川の音、風の音
レッドノイズ 低周波数 ピンクノイズと比較して高周波数のエネルギーを少ない。 雷、滝の音、大雨
ブルーノイズ 高周波数 ホワイトノイズと比較して低周波数のエネルギーを少ない。 嵐、コンピュータのファン、水しぶき
パープルノイズ 高周波数 ブルーノイズと比較して低周波数のエネルギーを少ない。 水道の蛇口、録音テープを回した時の音、歯科医のドリル
波の音 低周波数 従来のオプションに代わるマスキングとして海の音を模倣。 さざ波
カスタム N/A 最小検出レベル (MDL) と最小マスキングレベル (MML) の測定を通じて、患者の聴力検査結果と個人の知覚に基づいて信号レベルで構成。 N/A
  1. 補聴器を接続して、開始します。
  2. 接続をクリックします。

  3. 左ナビゲーションメニューの耳鳴治療音をクリックします。
  4. 特定のプログラムをクリックして調整します。 あるいは、 をクリックしてすべてのプログラムを同時に調整します。

    注:  ワンウェイ・プログラムの連結ボタン が押されているとき、⋆「基準」で調整されたゲインと出力のみ、右側に向かって一方向に連結されるすべてのプログラムへ同時に適用されます。My Starkey モバイルアプリで作成されたのカスタムプログラムは 、 来店時のフィッティングでも調整できます。詳しくは、対面でフィッティングする際のカスタムプログラムの調整 をご覧ください。
    注:補聴器の調整中に、プログラムの変更またはベストフィットを実行すると、治療音は自動的にOffに設定されます。 「無効」、「電話」、プログラムは、耳鳴治療音機能をサポートしていないため形状にチェックマークを入れることができません。
  5. Pro Fitは自動的に両耳 表示になります。左右個別に調整したい場合、Select Right Only または Select Left Only をクリックします。

    注: CROS/BiCROS補聴器でフィッティングする場合、受信側の補聴器のみ調整可能です。そのため左右の選択はできません。
  6. 治療音のセクションが開いていない場合、をクリックして展開します。

     

    注:1つのセクションだけ同時に展開することができます。そのため、ファインチューニング(耳鳴治療音)が展開されている場合、治療音は自動的に縮小されます。
  7. 形状形状をドロップダウンリストから選択します。
    注: 利用可能なオプションは、補聴器のテクノロジークラスに基づきます。カスタム治療音は、店舗での対面調整または保存されたセッションで「耳鳴治療音の個別最適化」を完了し、フィッティングに適用すると使用できるようになります。説明を見るにはクリックしてください。
    形状 重み付け 詳細 具体例
    オージオグラム聴力型 N/A 補聴器ユーザー(患者)の難聴に基づく形状に自動的に反映。 N/A
    ホワイトノイズ N/A PTA に基づく信号レベルと周波数全体にわたって均等なエネルギー分布で構成されている。 N/A
    ピンクノイズ 低周波数 ホワイトノイズと比較して高周波数のエネルギーを少ない。 小雨、川の音、風の音
    レッドノイズ 低周波数 ピンクノイズと比較して高周波数のエネルギーを少ない。 雷、滝の音、大雨
    ブルーノイズ 高周波数 ホワイトノイズと比較して低周波数のエネルギーを少ない。 嵐、コンピュータのファン、水しぶき
    パープルノイズ 高周波数 ブルーノイズと比較して低周波数のエネルギーを少ない。 水道の蛇口、録音テープを回した時の音、歯科医のドリル
    波の音 低周波数 従来のオプションに代わるマスキングとして海の音を模倣。 さざ波
    カスタム N/A 最小検出レベル (MDL) と最小マスキングレベル (MML) の測定を通じて、患者の聴力検査結果と個人の知覚に基づいて信号レベルで構成。 N/A
    注:プログラムで1つ以上の周波数バンドの出力レベルが調整され、別の形状を選択する場合、直前までのすべての調整は自動的に消去されます。
  8. 両耳、または必要とされる耳側で、クリックすると、高周波数の出力が減少し、低周波数の出力が増加します。 をクリックすると、低域出力を上げると同時に高域出力が下がり、クリックすると、高周波数の出力が増加し、低周波数の出力が減少します。 をクリックすると、低域出力が下げると同時に高域出力が上がります。ご希望の形状になるまで、必要に応じて、これを繰り返します。
  9. 変調率を選択します。
    注:変調はオフ、遅い、中間、早いから選択できます。 設定は、すべての計上でオフ になります(中間の海の音を除)。
  10. 補聴器マイクのオンまたはオフは、マイク Onで有効または無効を設定します。
    注:補聴器マイクが無効の場合、周波数レスポンスの波形図に「耳鳴治療音のみマイクOff」の透かし文字が入り、いくつかの機能(例えば、フィードバックキャンセラー、周波数変換など)が停止され、無効になります。
  11. 再生 または 一時停止 をクリックして治療音を再生または停止します。
    注:  以前に耳鳴治療を無効にしていた場合、治療音は自動的には再生されません。
  12. をクリックして、ファインチューニング(耳鳴治療音)のセクションを開きます。

     

    注:周波数ごとの耳鳴治療音の平均出力値を表示しています。 「+展開」を選択すると、周波数ごとに数値が表示され、「-縮小」を選択すると、周波数グループ(低、中、高)ごとに数値が表示されます。 出力値にカーソルを置くと、上下の矢印が表示されます。
  13. 特定の周波数グループを調整するには、「低」、「中」、「高」 を選択し、 周波数全体を調整するには「すべて」を選択します。

     

    注:テーブルの数値は、常に2ccカプラ出力で表示されているため、クイックフィット画面のグラフィック表示とは異なる場合があります。 ただし、出力特性のグラフは、2ccカプラ出力または実耳特性から選択することができます。 耳鳴治療音にアクセスする前に 2ccカプラゲインが選択されていると、2ccカプラ出力表示へ自動的に切り換ります。耳鳴治療音にアクセスする前に、疑似耳挿入ゲインが選択されていると、実似耳特性表示へ自動的に切り換わります。
    ポイント:特定の周波数範囲(低、中、高)の  や、縮小をクリックすると、数値は詳細表示からグループ表示に切り換ります。
  14. 特定の周波数、または周波数グループを選択して調整します。
    ポイント:連続した周波数範囲を選択するには、始点のグループかセルをクリックし、次に[シフト]キーを押しながら、終点の周波数グループかセルをクリックすると、2回のクリックですべての周波数が選択されます。複数の周波数を同時に調整するには、[Ctrl(コントロール)]キーを押しながら、希望する周波数を選択します。 周波数全体を調整するには、「すべて」を選択します。 選択された周波数は、フィッティンググラフ上では、濃い紫色で表示され、 テーブル内では 水色 で表示されます。
  15. 両耳、または片耳で耳鳴治療音の出力を調整するには、テーブル内の か をクリックします。
    注:上下の矢印キーは、数値にカーソルを置いた時のみ表示されます。
  16. をクリックしてその設定 & ターゲットマッチをコピーのセクションを開きます。
  17. 他のプログラムへ耳鳴治療音の設定をコピーするには、基準とするプログラムを選択して、コピーをクリックします。
    注:  カスタムプログラム  はコピーされることはできても、コピーすることはできません。
  18. ドロップダウンリストから行き先になるプログラムを選択します。
    注:「基準(コピー元の)プログラム」と「行先(コピー先の)プログラム」を同じ番号にすると、コピー先のプログラムや電話プログラムは無効にできなくなります。
  19. コピーを選択します。
    注:コピー元のプログラムのすべての設定を、コピー先のプログラムへコピーします。
  20. 他のプログラムへ耳鳴治療音の設定をコピーするには、手順17~19を繰り返します。
  21. 現在のプログラムまたは連結しているプログラムの耳鳴治療音の出力を、選択した形状に基づく設定に戻すには、耳鳴治療音のターゲットマッチを選択します。

耳鳴治療音の個別最適化耳鳴治療音の個別最適化

  1. 形状のドロップダウンリストからカスタムを選択します。
    注:  カスタム、無効、電話プログラム以外のすべてのプログラムは、店舗での補聴器調整時のみ有効に設定できます。「耳鳴治療音の個別最適化」を実行したことがない、またはフィッティングに適用したことがない場合、専用ツールが起動されます。「耳鳴治療音の個別最適化」が終了し、以前のフィッティングに適用された場合、既存の測定値を確認または再測定するには、カスタムの編集をクリックします。
    注:  最小感知レベル(MDL)と最小マスキングレベル (MML)の両検査は、カスタム治療音を生成するために、3つのグループに分かれた周波数帯域(低、中、高)で実行しなくてはなりません。
    ポイント: 検査に関する詳しい情報は、 にカーソルを合わせると詳細が表示されます。
  2. Pro Fitは自動的に両耳 表示になります。左右個別に調整したい場合、Select Right Only または Select Left Only をクリックします。

    注: CROS/BiCROS補聴器でフィッティングする場合、受信側の補聴器のみ調整可能です。そのため左右の選択はできません。
  3. 低域周波数帯域の最小感知レベル(MDL) を検査するには、治療音をクリックします。中域または高域の周波数帯域の検査を開始するには、Increase test frequencyをクリックして、その後に治療音をクリックします。該当する場合のみ、継続的に治療音を両耳へ同時に呈示し、フィッティンググラフの枠が青色に表示されます。
    注:測定中、補聴器は自動的にミュート(消音)され、治療音ボタンが一時停止に変更します。一時停止をクリックすると、耳鳴治療音の呈示が停止され、補聴器のミュートを解除されます。
    ポイント:「耳鳴治療音の個別最適化」をキャンセルする時は、キャンセル をクリックします。既存の測定の再検査または確認して「キャンセル」を選択すると、新規の測定すべてを失う危険性があるのでご注意ください。
  4. 必要に応じて、Decrease db level または Increase db level をクリックすると、2 dBずつ音響レベルを上げる、または下げることができます。
  5. 選択された周波数帯域(チャンネル)で測定が終わったら、Increase test frequency または Decrease test frequency をクリックして、次の周波数帯域を検査します。
    注:補聴器は自動的にミュート(消音)が解除され、一時停止ボタンで治療音に変更します。上部に 濃い紫 の線が周波数帯域の検査でMDLに表示されます。
  6. 治療音をクリックします。
    注:測定中、補聴器は自動的にミュート(消音)され、治療音ボタンが一時停止に変更します。必要に応じて、音響レベルを上げる、または下げます。
  7. 最後の周波数帯域でMDLを検査するまで手順5~6を繰り返してください。
  8. 次へをクリックして、最小マスキングレベル(MML)に進みます。
    注:3つのグループに分かれた周波数帯域(低、中、高)でMDLを測定する場合は、このボタンが有効になります。濃い紫色の線が上部に線がすべての周波数帯域の検査でMDLに表示されます。
  9. MMLを検査するには手順3~7を繰り返します。
    注:薄い紫色の線が上部に線がすべての周波数帯域の検査でMMLに表示されます。
    注:選択した周波数グループ内のチャネルが、許容誤差、最大レベルに到達したなどの理由で測定できない場合、該当する耳側の検査不可(検査ができません)をチェックして、測定できな周波数帯域を回避します。Pro Fitは特定の耳側で耳鳴治療音の呈示を停止して、そのチャンネルをミュート(消音)し、グラフへ表示させません。 「検査不可(検査ができません)」に手違いでチェックが入れた、または再検査したい場合、対象となる周波数帯まで進み、検査不可(検査ができません)のチェックを外します。Pro Fitは、過去に保存したチャンネルを再表示し、ミュートを解除します。
  10. カスタム治療音の形状の適用に、適用をクリックして、「耳鳴治療音の個別最適化」を閉じます。
    注:  このボタンはMMLがすべての3つ周波数帯域で測定されているときだけ有効になります。現在選択されている耳側に基づき、ボタンのラベルが決定して表示されます。例えば、右側が選択されている場合、右に適用 と表示され、クリックすると、カスタマイズした形状が右側の補聴器にのみ適用されます。
    注: カスタマイズされた形状がグラフ内に表示され、適用される耳側の ドロップダウンリストの下に 「カスタムの編集」ボタンが表示されます。「検査不可(検査ができません)」は、グラフ内で非表示になります。